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二条河原落書

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「いったい子どもたちに どうしろと・・・?」

一所懸命勉強して一流大学に入学・卒業し、「エリート」と呼ばれる職業に就いたら、「テストの点数が良くても、人間としては未熟だ。頭デッカチだ」とけなされ、勉強よりもスポーツに打ち込んで頭角を現すようになると「スポーツバカだ」と陰口をたたかれ・・・。

いったい、この日本という国は、国民にどういう人生を歩めと言うのでしょうか?
一億二千万もいる人間一人ひとりの生き方に対して、お節介すぎやしないですか?
(マスコミが不勉強で、あっちの言説、こっちの言い分と、無責任に吹聴しているだけであることも、混乱の原因でしょうが)

今夕のMBS『ちちんぷいぷい』で、石田英司さんが「大学飛び入学制度10年」という話を取り上げていたのだが、聞けば聞くほど「あほらし」という気分になってしまった。

「飛び越せる」のは、高校3年の1学年分だけ。しかも、「高校中退」扱いで、もし、大学に入学したものの挫折して、大学を卒業できないとなると、学歴は「中卒・高校中退」扱いになるとのこと。
本人よりも、「我が子の将来」を心配する親の方に、制度利用に二の足を踏む心理が働いているのでは、と千葉大学の関係者は言っていました。

そういえば、「高等学校卒業程度認定試験(旧・大検)」も、いくら早く資格を取っても、18歳にならないと実際には大学に入学できないのでしたっけ・・・結局、どこかで「足踏み」をさせられるわけです。(まあ、もともと、何らかの理由で高校を卒業できなかった人に対する救済措置として始まったものではあるのですが)

「飛び級」の方は、制度ができて10年も経っていながら、この制度を利用した(できた)高校生は、50名程度。
最初は、理数系の学科だけで認められていたのが、今は文科系の学科に受け入れる大学もあるそうですが、今のところ、入学者はゼロ・・・。

千葉大学で飛び級入学の第一号となった人は、今、某自動車メーカーの研究室で働いているそうですが、「暗記中心」のような勉強をしているところから、いきなり「思考力」を問われるような授業についてゆくのは、大変だったと告白してました。
(「特別な生徒」という周囲からのプレッシャーもかなり強く感じるようです)

千葉大は「飛び級入学」してきた学生たちに、特別な教育体制を敷いているとのことで、導入する大学側に、かなりの負担が強いられるという現実もあるそうです。


なんというか、長い人生において、その人の能力がいったい何歳頃に伸びるのか、才能が結実する時がいつやって来るのか、そんなことは本人にも分かりません。
「早熟がいい」とも一概には言えません。人生の道筋は、「単調な右肩上がりのグラフ」では描けるものではありません。

もっと、柔軟性のある「学習環境」を、子どもたちにはもちろん、大人にも与えられる社会(制度)は、作れないものでしょうか?

せっかくこの世に生まれてきて、最低限「人に迷惑をかけない人生」・・・願わくば、「自分で自分自身の成長を確認できる人生」、さらに上を望むなら、「なにかしら他人のために役立つ人生」を送りたいとは思いませんか?

こういう話↓を読むと、その思いがますます強くなります。

71歳男性、難解方程式で新発見 第2の人生で数学博士号
 〔産経iza 2007/03/11〕
 企業を定年退職後に大阪大で数学を学び、研究してきた71歳の男性がこの春、博士号を授与されることになった。研究内容は世界の最先端として高い評価を受けている。若手の活躍が目立つ数学では60歳を過ぎて学び始め、論文を書く人は極めてまれだ。
 大阪府池田市の金子和雄さん(71)は大阪大大学院で機械工学の修士課程を終え、企業の技術者として蒸気タービンの設計などに携わった。9年前に定年退職。「まだ何かできそうだ」ともう一度勉強する決心をした。



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by rabbitfootmh | 2007-05-09 23:57 | 子育て/教育
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