「アテネオリンピックの開会式はわいせつだった?」
アテネオリンピックの開会式はわいせつだった? | Excite エキサイト
(ロイター記事より抜粋)
アテネオリンピックの開会式がわいせつだったという苦情がアメリカから寄せられ、アテネ五輪組織委員会のアンゲロプロス会長が立腹している。彼女はアメリカの監査機関に、古代ギリシャ文化を取り締まるのは余計なお世話だと警告した。
(略)
「開会式は美しく啓発的で、いきいきとして楽しく、わいせつからはほど遠いものでした」アンゲロプロスは週末のロサンゼルス・タイムズに、「いつからギリシャ文化がわいせつになったのか?」と題された論説を寄せた。
「芸術か? わいせつか?」という問題は、日本でもよく持ち出されるテーマだが、日本で映画カントクなどが叫ぶ、「オレが芸術だと言ったら芸術なんだ!」式の弁明には「?」と思うのに比べて、アンゲロプロス会長の説明は、なかなか説得的だ。
ローマ帝国でキリスト教が国教化されてから、古代ギリシャやローマに広く行き渡っていた「多神教」文化は、情け容赦なく破壊されていった。その豊かな文化の「名誉」が復活されるには、ルネッサンス時代まで待たねばならなかった。
キリスト教徒の嫌悪する「ソドムとゴモラ」の背徳の社会は、確かに、人間の精神を腐らせるものには違いないのだろうが、ヒステリックな“魔女狩り”状態になることだけは御免こうむりたい。『ダ・ヴィンチ・コード』の流行が、そうした一神教に特有のヒステリーの“歯止め”になるのかどうか・・・興味のあるところだ。