二条河原落書

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「なぜビッグ3はダメなのか……“あの人”の分析」

昨年末に、 「米国ビッグスリーは、日本の旧国鉄…なるほど?」 という記事を書いたのだけど、実は、それとおんなじことを、十数年前に指摘してた文章を“発掘”して、かなりびっくりしている。
 少し長いけれど、引用する。
 去る1月7日(’92年)、ブッシュ米国大統領が日本へやって来た。その目的は冷戦後の新世界秩序における日米のグローバル・パートナーシップについて話すためであった、はずだ。
 しかし、僕にとっては不可解な成果を残し、ブッシュ大統領は選挙が待つアメリカへと帰っていったのである。
 今回の来日には多くのアメリカの経済人が同行した。その中でもアメリカ三大自動車メーカーであるGM、フォード、クライスラー(以上の三者をビッグスリーと呼ぶ)の首脳の存在が大きかったようだ。(中略)
 アメリカ側の主張はこんなところだ。
 日本はアメリカでたくさん車を売ってるんだからさ、日本でもアメリカの車をもっとたくさん売ってよね、と。

ここで登場している「ブッシュ大統領」というのは、もちろん、先日ホワイトハウスを去った「ジュニア」の方ではなくて、「シニア」----「パパ・ブッシュ」の方ですね。
会談した日本の首相は、宮澤喜一氏。この翌年(’93年)夏に、自民党は分裂、衆議院総選挙で敗れて、弱小野党が手を組んで、細川護煕政権が誕生しました。
小沢一郎が絡んでたのよね。なんだか、今の日本の政界事情と似ているような気が…。




……が、“売ってよね”と押しつけられたって、売れないものだってある。僕たち消費者が欲しくないものは、誰からどう頼まれたって売れはしない。(中略)
 思うに、極論的に書けば、僕が憧れたあの頃からアメ車は何も変わっていない。また変わろうともしなかった。加えて車そのもの、車に対する考え方なども変わっていないようだ。言葉を換えるなら、20年前に既に完成品を作り上げてしまった悲劇である。
 そして、その完成品はアメリカで走るためだけに作られた。この問題が解決されないままに今日に至っている。アメリカは国土も広ければ、道路も広い。LAでも有名なショッピング街・メルローズ、僕の記憶では代官山程度の小ぢんまりとした風景だが、実際は環状7号線と同じか、それ以上に広い道路がある。フリーウェイだって片側三、四車線だ。ガソリンにしても日本の半額と思っていい。そんな環境で生まれ育ったアメ車がこの狭くて資源も乏しい日本に合うわけがない。(以下略)

その後、この文章の筆者は、「…(アメリカの)自動車メーカーは一方的な押しつけに陥らずに、素直にユーザーが何を欲しがっているのかを感じ取ってもらいたい。」とアドバイスもしている。

思わせぶりになって申し訳ない。
実は、この文章を書いたのは、「小室哲哉」なんですね。
彼が、『月刊カドカワ』の、’91年6月号~’93年11月号に、「ART OF LIFE」という枠で書いていたエッセイをまとめた、『告白は踊る』という本から抜粋しました。

小室さんは、「時代の空気」というか、その時代の「人の欲求」に敏感だったのでしょうね。敏感に嗅ぎ取った上で、「じゃあ、こんなのはどう?」と、ちょっと新しいテイストに“編曲”して提供する。そうすると、メガヒットする。

彼の音楽以降、日本の歌謡界の様子は、今の「J-POP」の形に向かって、ガラリと変容してしまったように思うし。

一度だけ、TMNのコンサートに行ったことがあります(苦笑)
「CAROL」ツアーの時に。
三十路に突入した身には、のっけから2時間立ちっぱなしってのは、正直ツラかったねー。
「え~? 誰もすわんないの~?!」って、キョロキョロしてました。
ヒール履いた足がパンパンになっちゃって (◎_◎)

その頃、同じくTMファンのツレに言ってました。
「キネさんは4ビート、ウツさんは8ビート、で、コムロさんは16ビートなんだよね」

映画『アマデウス』で、モーツァルトのサウンドに驚愕したサリエリ(違ったかも?)が、「音が多すぎる」とボヤいた時に、ふと、コムロ・サウンドを思い出してしまったものです。どっちも、「転調」が好きだしね。

♪ピッピコ ピッピコ ピコピコピッピコ…♪ という雰囲気の「コムロ・サウンド」は、誰が歌っていても、いつ、どこで、どんなシチュエーションで耳に入ってきても、すぐに「あ、テッちゃんの曲だ(笑)」と分かったんですが、その後、同じような音楽が増えてきて、「ありゃ?」という感じになって……。

「時代の空気」を読み続けてきた彼は、自分があふれさせたサウンドから生れた、ごった煮状態の「空気」の中で、方向を見失って、迷ってしまったのではないかと思います。

「天賦の才」に恵まれた人だと思うので、また新しい音楽を作って、復活してもらいたいと思ってます。

この話には関係ないですが、もともと探してたエピソードは、小室さんが、自分の作った歌にキティちゃんを象徴する「白い子猫」という言葉を入れたのはどの曲だったか、ということだったのですが…。
答えは、globeの『Anytime smokin' cigarette』で、それが書かれていたのは、こっちの本じゃなくて、中谷彰宏氏とのコラボ本『プロデューサーは次をつくる』(飛鳥新社)でした。


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by rabbitfootmh | 2009-01-23 09:52 | 日本の社会問題
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