二条河原落書

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「イタリアの教育制度~塩野七生さんの受け売り」


昨日、娘と二人で歳暮の送付予約をしに某デパートへ出かけて、その中の大型書店に立ち寄った。
娘は、小説1冊とマンガの単行本2冊をスイスイっと選んで、「お母さんは何も買わへんの?」と詰問(?)するので、つい、目に止まった塩野七生さんのものを1冊手に取ったんだけど・・・。

「もしかして、これ、“2冊目”やないやろなぁ」と、不安をつぶやきつつお代を払って帰宅し、念のためにと本棚の一本の奥の方を確かめてみたら・・・やっぱりあった。同じ本が(苦笑) 版数はなぜか、昨日買ったものの方が一つ古い。
 
ま、いっか。興味がありそうなら、娘にやってもいいし(^^; 塩野さんの話は、ちょいとむずかしいけども。まだ、ページの角を折ったり、赤エンピツで傍線を入れたりしてない“新品”だし。

前置きが長くなったが、その、『ローマの街角から』という本に、塩野さんが長年暮らすイタリアの教育制度についての項目があって、「理に適っている」と納得した。




そのまま該当箇所を引用すると・・・
イタリアの教育制度は、小学校五年、中学校三年、高校五年、そして専門別に修業年限がちがう大学となる。中学までが義務教育で、高校になると、技能別専門高校と、大学に進むことを前提にした理科系文科系の普通高校に分かれる。専門高校を卒業すればディプロマと呼ばれる資格免状がもらえ、翌日からでも働きに出られるが、普通高校を卒業しただけではディプロマはくれない。専門高校よりは断然むずかしい普通高校が、大学での高度な専門教育を受けるに必要とされる基礎、つまり一般教養を与える機関とされているからである。ゆえにイタリアの大学には、教養学部というものがない。
この、高校卒業と大学入学資格検定を兼ねた試験は、「成熟試験」と呼ばれて、塩野さんの息子さんが受けた文科系筆記試験は国語(イタリア語ですよね)の論文とラテン文の翻訳、と、試験官と一対一で一時間も行われる口頭試験は、国語、歴史、ギリシア語、物理のうちの一つから選択するそうだ。
『英語のような現代外国語は、教養ではなく実用科目とされ』、学校の「内」では教えてくれない、とも。

日本でなら、ラテン語やギリシア語にあたるのは、奈良・平安時代の古典と古い漢文ということか。

論文は、四百字詰原稿用紙に換算すると、20~30枚分だそうで、日本の高校生か大学1年生には、とうてい書けそうにない量。しかも、テーマは決まっている。

日本でも、知識教育や研究に携わって働く人ばかりではないし、むしろ、そうでない人の方が多いのだから、やはり、「大学全入」ってのは、異常なことなのかもしれませんね。
机の前に座ってのお勉強があまり好きではない人たちは、専門学校・専門高校へ行かせてやった方が、本人のためでしょう。

ドイツも、小学校卒業後は大学進学組と、職人を目指す組とにコース分けするんですよね。
ドイツでも、優れた職人さんは「マイスター」の免状が与えられて、社会的にも尊敬されています。
大学進学を目指すギムナジウムへの進学率は25%程度だとか。
 ※参照サイト 「ドイツのマイスター制度とは?」〔建築家の夢・翔建築設計/WAZA より〕

日本の文化や伝統を大切に遺そうと言うなら、ちゃんとそれを伝えられる「職人さん」を育てないといけないのにね。

なんで、日本の学校制度が、ヨーロッパのように柔軟なシステムになっていないかというと、一番の要因は「差別はいけない」という呪縛でしょうね。それは、「大学卒業できる人がエリート」「職人は教養が無い下等な人」などという、根拠の無い偏見と表裏一体のものだと思いますが。
ペーパーテストの総合点数で「人物評価」できるという思い込みも、そろそろ払拭したらどうでしょうか?

「古典文学なんかいらねぇ」とか「英語なんていらねぇ」、「微積分なんかいらねぇ」って言う人は、違う道を選ばせてあげればいいじゃない。なんでいっしょにしなきゃなんないの?

テレビ東京の『テレビチャンピオン』という番組が、母娘そろってお気に入りで、ほとんど見てるんですけど、あれをみてると、「世の中には、すごいワザを持った人がたくさんいるもんだ」と思いますねえ。ホント、小気味いいですよ。

いや、だからさー、「みんな同じ」ってのは、不可能だし無駄が多いし、「個性重視」というなら、それぞれの個性を活かせるようなシステムにしなきゃ。
で、職人さんになったけど、今はいろいろと知識も教養も新しい技術や発見も勉強しなきゃならなくなるから、「じゃ、ちょっと大学に行き直してみるか」っていう人を受け入れる門戸を開放しておけばいいだけのことでしょ?

もう、「未履修」がどーたらこーたら、とか、「いじめ」がどーたらこーたら、とか、ちまちました議論は止めて、ガラガラポンしちゃいませんか、日本の学校教育制度?

それにしても、高卒認定とか、大学入学認定とか、かっちりとできる能力のある教師(教授)は、日本にはほとんど存在してないんでしょうね。
それが、一番の悪の根源だったりして・・・orz


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by rabbitfootmh | 2006-11-04 14:43 | 子育て/教育
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