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二条河原落書

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「能・喜多流の御家騒動 第二弾?」


「謡曲・仕舞」を、ちょこっと“かじった”ことはあるものの、お師匠さんは「観世流」の方だったので、喜多流のことはあまり存じ上げないのですが・・・。

いろいろとネットで検索して調べた限りでは、十六世宗家の喜多六平太(十五世宗家・実氏の長男・長世)氏が、財団を「私的に使った」との理由で、喜多流から“村八分”状態らしい・・・といこうとは分かったのですけど。
その記事というのが、googleの検索には引っかかってきたものの、元記事はすでにデータとして残っていませんでした。



しかも、狂言の和泉元彌さんの騒動の関連情報として補記されていたものらしくて(^^; 下記の部分だけ出てきました。
和泉宗家に限らず、能楽宗家のご難が続いている。数年前だが、シテ方喜多流の喜多六平太宗家が財団を私的に使ったとして理事長の座を追われ、喜多流職分会自主公演の能会となり、宗家は弟子たちから離反され、対立はいまも深まる一方だ。
 〔東京新聞 2002年12月28日 伝統文化・名流の記事より〕
喜多流は、江戸時代(徳川秀忠)に金剛流から分かれた新しい流儀で、明治期に他のシテ方と共に「五流」の一つとなったとのこと。

今回の訴訟の経過に関しては、産経新聞の記事が一番よく分かります。
あと、毎日朝日の記事を読むと、それぞれに詳しい情報があるんですけど、どっか、きちんと“全貌”をまとめてくれ~。

能面や装束は分割可 能楽喜多流相続で最高裁判決
 〔産経Web 2006年6月1日〕
 能楽シテ方五流の一つ「喜多流」十五世宗家の故喜多実氏の遺産相続人2人の間で、江戸時代から引き継がれてきた実氏の能面や能装束の分け方が争われた訴訟の上告審判決が1日、最高裁第1小法廷であった。
・・・・
 判決によると、実氏は昭和53年8月、能面と能装束一切を六平太氏と節世(さだよ)氏にいっしょに相続させ、持ち分は2分の1ずつと遺言。実氏死後の平成10年6月、節世氏が六平太氏側が管理する能面などの分割を求めて東京簡裁に調停を申し立て、六平太氏が節世氏の持ち分を買い取る方法などが検討されたものの、不調に終わった。
 節世氏が14年9月に提訴し、節世氏の死後は持ち分を相続した真王氏が訴訟を続けた。
能面や衣装(能・狂言では装束と呼びますが)は、だいだい宗家に受け継がれて長く使われ続けるものなので、こういう相続問題で揉めないように、「財団」などを作って、私財扱いにしない工夫をしている家が多いようですが、喜多流の場合は、先代の家元が二人の息子に相続させた→宗家となった長男が問題を起こした→事実上、宗家としての権限を失って、興行ができない状態になった・・・ということで、ゴタゴタしてしまったのでは、という感じですね。

作家・秦恒平氏(マンガ家・秦建日子氏の父上)が、2000年5月27日の「日記」としてネット上に公開している記録には、『家元喜多長世(=十六世宗家・現六平太)は逼塞し弟節世は病んでいる』とあります。

先代家元の次男・節世氏の養子は、能楽師ではないようですが(今年5月?に、昭和女子大の人間文化学部 日本語日本文学科で『能に親しむ』という特殊研究講座の講師を務めてらっしゃったみたいですね)、実質的に喜多流の興行を仕切っている「喜多流職分会」とどういう関係にあるのかも、報道されている情報では見えません。

でもなあ・・・価値のある面(おもて)や装束(しょうぞく)は、きちんと舞台の上で活かしてもらいたいと思うので、バラバラに競売にかけてお金に換える・・・なんてことはしていただきたくないですねぇ。


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by rabbitfootmh | 2006-06-02 15:09 | その他もろもろ
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