二条河原落書

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「医療者でも“脳死”は死ではない・・・と」


一般の人が「脳死」状態の人に遭遇する確率はかなり低いと思う。
もし、経験があっても、なかなか軽々しく他人に話せることでもないので、知らないだけかもしれないが・・・それでも、ごく近しい家族や親戚の人の間でしか経験し得ないことだろう。

しかし、医療従事者なら、人の死を看取る数は多いはずだ。「脳死」状態や「植物状態」の患者さんに出会う確率も高いと思う。
それでも、「脳死は人の死とは考えられない」という医療者が多いのはなぜだろう? 米欧の人たちと「死についての考え方が異なる。日本人独特の死生観が、脳死を死と認めたがらない原因だ」というのは、ほんとうなのだろうか?

知人が身内の「脳死」を経験した時は、看護師さんの一人が、「意識がなくても、家族の話すことはちゃんと聞こえてらっしゃるようですよ。手を握って話しかけてあげてくださいね」と教えてくれたそうで、その通りにすると、やはり手を握り返したり、涙を流したり・・・という反応があったそうです。

「脳死は死」妥当は39% 臓器提供病院の医療従事者
 〔東京新聞〕(Excite エキサイト : 社会ニュース)
 脳死からの臓器提供ができる病院の医師、看護師などのうち「脳死は死の妥当な診断基準」と考えているのは約39%で、欧州の半分以下との調査結果を、厚生労働省研究班が厚生科学審議会の臓器移植委員会で26日、報告した。
 研究班員の大島伸一国立長寿医療センター総長は「これほど低いとは思わず、がくぜんとした。医療従事者がこれでは、とても一般の人に理解は深まらない。教育が必要だ」と話している。
厚労省の研究員である大島伸一氏は、「とにかく脳死者からの臓器提供を増やしたい」という人である。



厚生科学審議会の「疾病対策部会臓器移植委員会」というところで、ゴニョゴニョと会議をやり続けている委員の一人で、去年の9月25日にやったきり、第22回目は今日(?!)あったらしい。なんとも読みにくい議事録ですが、参考までに----
・・・・
 では次に、議題3でございますが、臓器提供意思登録システムについて、事務局から説明をお願いいたします。

矢野補佐
 資料3をごらんいただきたいと思います。臓器提供意思登録システムの整備につきまして、まずその趣旨から御説明させていただきます。 厚労省、それから日本臓器移植ネットワークでは、これまで約1億枚に上る臓器提供意思表示カードを作成しまして、地方自治体、郵便局、コンビニエンスストア等に配備をしまして、より多くの方に臓器提供に関する意思を表示していただけるよう、取り組んできたところでございます。
 しかしながらカードの所持率は、平成16年の調査によりますと、10.5%ということで、カードを持っていないより多くの方に所持していただけるように、カードをより効果的に普及する方法が、求められているところでございます。
 それからカードを持っている方であっても、御家族がそのことを知らなかったりしますと、カードが発見されずに、提供に至らないケースがあったりですとか、カードの記載不備のために、御本人の意思が生かされないケースというのも出てきております。(2005年9月25日議事録より)
というわけで、ケータイやPCから、インターネットで「ドナー登録」ができるようなシステムが、今夏から稼働する予定らしい。
そうなると、「ドナーカード」の所持が確認できなくても、臓器移植ネットワークのデータに個人情報が登録されていれば、脳死患者の「意思確認」ができるので、ムダがないというわけです。

この委員会、「人の命の尊さ」なんて、これっぽっちも話が出てなくて、ただ事務的に「ドナー数を効率よく増やすにはどうしたらいいか?」ということなどを、延々と話し合っています。

ほんとうに良いんでしょうか? こんな人たちに、こんな大事なことを任せっきりにして、“密室”で決められても?(一応、傍聴はできるようですけど・・・そんなこと、知ってました?)
推進派の国会議員のセンセイたちも、ちゃんと移植のことを詳しくご存知の上で賛成しておられるんでしょうか? 「人助けができるなら、いいんじゃないの?」程度の認識じゃ困りますけど。

 ※「5号館のつぶやき」のエントリー
  ・移植臓器の売買はどうしていけないのか(2006-04-23)
  ・臓器移植というパンドラの箱( 2006-04-27)
  

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by rabbitfootmh | 2006-04-26 23:18 | 医療/生命倫理
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