二条河原落書

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「臓器移植を受けるために渡米・・・善意の募金約二億円」


茨城の10か月女児、多臓器移植手術のため渡米
 〔読売新聞 2005年12月8日〕

昨年末に、アメリカのマイアミ大・ジャクソン記念病院で「6臓器同時移植手術」を受けた1歳の男の子が、今年9月に元気に自分の足で歩いて日本に帰国した映像を、私もテレビのニュースで何度も見た。(『TVのチカラ』でドキュメントやってましたっけ?)
今回の、茨城の女の子も、同じ病院へ入院してドナーが現れるのを待つという。

このマイアミ大の移植チームには、加藤友朗先生という日本人の「移植の名医」がいるので、これまでも移植手術を受けに行った日本の子供がいたようだ。

茨城の女の子も、渡米してまでの移植費用が無いということで、募金活動を行っていたらしいが、父親がJリーグ・鹿島アントラーズのサポーターのリーダー的存在だったため、鹿島のクラブから1000万円が寄付されたそうである。



また、そのことが“呼び水”となってか、中日ドラゴンズの佐藤充投手(27)らも募金に協力。その他にも、なんと「募金箱は茨城県を中心に二千カ所近くに設置されて」いたそうで、最終的な募金の総額は一億九千万円にもなったようだ・・・。

茨城県は、「臓器ドナー登録」の啓発に熱心な県のようで、臓器移植ネットワークが作成しているものとは別に、県独自のデザインのカードまで作っている。デザインは、県下の高校生を対象に公募し、応募作品の中から選ばれたものだという。
オリジナルカードは長崎、沖縄、香川に次いで4例目だとか。


このブログでは、何度も書いていることなのだが、「尊い生命を救いたい」という気持ちは誰にもあるし、私自身も、重い病に苦しむ子供たちが「できるだけ長く生きていてほしい」と思う。
そう思うのだが、「脳死状態になった他人の臓器をもらっての臓器移植」には反対の立場だ。

去年、6臓器同時移植を受けた男の子も、毎日、「免疫抑制剤」など20種類ほどの薬を投与し続けなければいけないと報じられていた。今は幼いので、両親が投与の世話をしているが、成長するにつれ、本人が「どうして?」と疑問に思ったり、負担を感じたりすることが無い、とは言い切れないのではないか?

HIV感染によって、「免疫不全」の病に苦しむ人がたくさんいる一方で、延命のための臓器移植を受けたことで、「免疫不全」の状態を、薬によって自ら維持し続けなければならない人が増えてくるというのは、どう考えても納得できない。また、そうしたことを、日本のマスコミが伝えようとせず、募金活動などの「善意」を情緒的に強調する報道ばかりするのも気になる。


それより何より、臓器ドナーとされる「脳死患者」は、「限りなく死に近い状態」ではあっても、「まだ完全に死に至ってはいない状態」にあるのだ。「生者」から臓器を無理やり切り取って、脳死患者を「完全な死に至らしめる」行為と引き換えに、別の生命を長らえさせる・・・これは、「カニバリズム」の一種ではないのだろうか?

後になって「しまった!」ということにならないよう、まだ事例が少ないこの日本において、「脳死・臓器移植」について冷静にもっと考えを巡らすべきだと思う。


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by rabbitfootmh | 2005-12-09 09:07 | 医療/生命倫理
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